048 96.07.07 「みんなのカード」
特殊法人自動車安全運転センター、とは、警察と密接な関係を持っている団体のようです。運転免許証の管理を司っている模様ですが、詳しいことはわかりません。ここから一通の封書が届きました。累積点数がこれこれこのようになったので今後は注意してちょ~だいっ、とのお達しです。身に深く覚えがあることなので、いやもうひたすら反省しておる次第ではございます。
で、送付された書状ではなく封筒ですね、この封筒がどうも妙なんです。特殊法人自動車安全運転センターの茨城県事務所だけなのか他の事務所でもそうなのかはわかりません。封筒の表の余白部分に、なにやら宣伝らしき文句が斜め丸ゴシック体で印刷されておるのです。この4行のコピーがなんとも摩訶不思議なんですよ。こんなんです。
おい、お前!! お父さんは、「SDカード」を貰ったよ!!
なーんだ!! 今頃遅いよ。僕はとっくに持っているよ。
二人で何話しているのよ!! 今日も「安全運転」いってらっしゃい!!
~「SDカード」はみんなのカード~
ね。変でしょ。ちなみに4行目はひとまわり大きな文字になっています。SDカードとは、1年以上の無事故無違反の経歴証明として特殊法人自動車安全運転センターが発行しているもののようです。その功徳はよくわかりません。
このコピーは会話調という手法が導入されているようです。順に、父、息子、母の発言と思われます。やけに元気の良い家族のようで、やたらと「!!」を連発する家風がうかがえます。その中で、息子はやや冷静な性格なのか、3フレーズのうち1度きりしか「!!」を用いていないのが目を引きます。免許取得期間、無事故無違反の期間、「とっくに」という発言。以上3点から、この息子は20歳以上と見て間違いないでしょう。どうでもいいことですが。
父は権力に弱いのか、「SDカード」の取得という事態に我を忘れて狂騒しているようで、なかなか微笑ましいですね。いいおとうさんです。不可解なのはなんといっても母で、奇妙な文法を行使する性癖があるようです。「安全運転」いってらっしゃい!!、とは、なにを意図した発言なのでしょうか。助詞はあまり省略しないほうがよろしいかと思います。何話しているのよ!!、という詮索好きな性向もいただけません。夫と息子を送り出したあとはワイドショウに惑溺するタイプだと思われます。テレビばかり観てないで週に一日くらいは読書などしてみてはいかがでしょうか。余計なお世話ですが。
私にとっての問題は4行目です。特殊法人自動車安全運転センターは、SDカードはみんなのカード、と定義しています。しかしこのたび交通違反点数を取得してしまった私にとっては1年間無縁の代物です。1年間は「みんな」の仲間に入れません。仲間外れです。ああ、この疎外感。
ま、欲しくないすけどね、べつに。
皆勤賞が気持悪いように、SDカードってなんだか気持悪いです。そんなこたあ、とりたてて証明されたくなんかないですよ私。
どうなんでしょう。世間一般ではSDカードというものは欲しがられているものなんでしょうか。タクシーやトラックの運転手さんとかで所持していると特別手当がつく、なんてケースしか思いつかないんだけど。
特殊法人自動車安全運転センターって、ええと憶測でものを言いますが、天下りポストを増やすためにつくられた法人なんでしょ。そんなとこから証明されてもねえ。あはは、へんなこと書いちゃった。逮捕されたりして。
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