045 96.07.01 「幸福の転送」
おいしいメイルが届いた。「幸福のメール」とかいうものらしい。差出人はこの役立たずのペイジをよく読んで下さっている奇特な方で、なんだか私はメイル暴露人としての地位を確立しつつあるらしい。あやつに送ればへんてこな作文に仕立てあげてくれるだろう送っちゃえ送っちゃえ、とお考えになられたのではないか。曲解は私の天性なので、そう解釈することにした。実際にたいへんおいしいメイルであって、一読して「うひょうひょこれでひとつ作文できるなうひょうひょひょい」とほくそ笑んでしまった。某アミューズメント会社の方、ありがとう。私は、幸福です。
一方、こういうチェインメイルは私に届くや否や、つながりが断ち切られてしまうわけで、そうした隠微な愉しみの集積が私のメイルボックスで粉砕してしまうのもなんだか申し訳ないという気もちょっとする。ま、私のもとに届いてしまったのが運の尽きだ。諦めてもらおう。
私には友達がいないので、転送する相手がいないんです。テレホンショッキングに私が招かれたら、翌日からその企画は壊滅するであろう。紹介するひとがいないのだ。招かれるわけないけどね。
今回の物件は幸福をもたらすものらしいのでさほどの災禍はなかろうが、こうなると「不幸のメール」というのもぜひ受け取ってみたい。「不幸のメール」の処置に困っている方がいらっしゃいましたら、ぜひとも私あてに送ってください。私にはそのあたりの情緒が見事に欠落しているのでそんなの受け取ってもぜんぜん気にしないし、転送するあてもない。私は今以上に不幸にはならないから大丈夫。ただただ興味がある。誰か送ってくれないかなあ。作文のネタができて嬉しがるに決まっているのだが。私はけっこう暇な人間なので、ネタさえあれば毎日作文したいのだ。ただ、人間がつまらないのでネタが寄りつかない。頼みますよ。
今回の「幸福のメール」はどうやら日本電気株式会社に端を発しているようだ。よくわからないが、これはNECのことではないだろうか。自信はない。間違ってたらごめんね。システムマイクロ事業部という部署から出てきている。15人ほどを経由して私のもとに届いた。
内容はというと、ここでは紹介できない。小咄調の面白いエピソードがいくつか綴られていて確かにとても笑えるのだが、紹介しちゃまずい。これって、盗作じゃないの? というのが私の見解だ。読んだことあるよ、これ。最近読んだばかりだが、所在が思い出せない。どこのペイジだったかなあ。謎を謎のままで終わらせると、みなさまも居心地が悪かろうと思うので、ひとつだけ無断転載しちゃおうか。
『先日、父は、男にフラれて落ち込んでいた姉をなぐさめようとして、「おまえ、人間は顔じゃないぞ」と言うところを、「おまえの顔は人間じゃないぞ」と言ってしまった。』
これが、「幸福のメール」版。私が読んだのは次のような感じだった。
『「おまえの顔は人間じゃないぞ」(男にフラれた姉をなぐさめようとして、「おまえ、人間は顔じゃないぞ」と言おうとした父)』
原典のほうが数段すばらしい。「幸福のメール」版は、全般的に表現に工夫がないのが特徴だ。
まあ、私の記憶にあるそのページは投稿されたものなので、出どころはひとつだったりするかのもしれないが。そうなると、盗作とはなんだ盗作とは私の名は耕作だ、とか怒られちゃったりするはめになるのであろう。
いかん。謝らなければ。ごめんね、ぼく子供だからなにもわからなかったの。
いいのか、そんな小手先の冗談でかわして。訴えられるかもしれないぞ。
だって、ほんとに子供なんだもん。
などと事態をうやむやにしつつ、本日のところは遁走するのだ。
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