053 96.07.24 「無税大食」
毎日新聞を購読してるんですが、おとといの朝刊第1面は味わい深かったですね。東京本社の13版なんですが、サッカーの記事なんてどこにもないんです。世界中が大騒ぎしているというのに。トップ記事がなんともいい味を出してました。二子山部屋の藤島一家が脱税した話。あ、いやすみません。申告漏れでした。すみません、私、どう違うかよくわかってないんです。個人的には、脱税の方が景気が良くて好きなんですけどね。
大相撲界の金の流れがむちゃくちゃなことはみんな知ってるのに、いったいどうしちゃったんでしょう。オカミのホ~シンが変わったんでしょうか。槍玉にあげられたのが、二子山部屋っていうのがまた興味深いですね。どの部屋も叩けば埃が舞い上がるのに、よりによってなぜ財力人気を兼ね備えた二子山部屋が。東京国税局、本気なんだぞ俺たちは、と言ってるんでしょうか。住専問題の影響で、これまで見逃してあげてたとこからも税金を搾り取らなくちゃならなくなっちゃのかなあ。
相撲はオカミの慰みとして始まったんだから、大目に見てあげればいいのにね。ひょっとすると、二子山部屋、マス席の券をちゃんと東京国税局の幹部に差し上げていなかったんじゃないですか。そんな、奢っちゃいけませんですよ。
二子山部屋といえば四字熟語です。記事を読んでいると、やけに四文字の漢字が目について困ってしまいます。修正申告、税務調査、必要経費、青色申告。若乃花、横綱になった暁には使ってくれないかなあ。相撲協会からの使者を前に、「今後は横綱の名を汚さぬよう、青色申告して精進いたします」とか。貴ノ浪でもいいや。「今後は横綱の名を汚さぬよう、親方を反面教師にして精進いたします」なんて。
スポーツ面に行くと、年寄株を増やしたらどうかという提言が載ってます。お、新しい年寄株をつくるのか。どんな名前なんだ。青色親方とか脱税親方とかが誕生するのか。と、色めきたったんですが、一代年寄を横綱全員にとかいう他愛ない提案でした。なあんだ。そんなことをしたら、横綱審議会とかいう不思議な集団がいっそう力を持つだけじゃないですか。輪島や北尾が黙っちゃいないですよ。まさか。
それにしても、大相撲界というところは話題が尽きないですね。あれだけ人気がある伝統芸能集団なんだから、一般社会の常識を当てはめたりしないで、大相撲保護法なんてのをつくって保護してあげたほうがいいんじゃないですか。無税大食を認めてあげましょうよ。だいたいワイドショーが大っぴらに取り上げていなかったりしますね。あとで取材できなくなっちゃうから。もう、特別の方々です。特に、藤島一家はこのくににおけるロイヤルファミリーなんだし。
あ、そうそう、ついでに決まり手ももっと増やしましょうよ。「おっと、貴乃花、上手を切られました。国税局、ここで一気に寄っていきます。貴乃花、残せるか。おっと、申告洩れ。国税局の勝ち。金星です。決まり手は、申告洩れです」
いやあ、今日の私、政治面のひねこびたヒトコマ漫画のようでしたね。
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