12月17日 ひきはじめた夜


 飲んでいるうちに眠ってしまう客は意外に多い。
 ほおっておくことにしている。
 だからといって、ただ二人の客にどちらも眠ってしまわれるのも困る。
 なにも仕事はないが、客がいる。

 つられたのかもしれない。ほんの数分、うとうとしてしまった。先ほど服用した風邪薬のせいだろうか。
 目覚めて、慌てて二人の様子を伺うと、最前の態勢と変わらない。安心する。

 終電の時間が間近くなってきたので、二人を起こす。どうやら、二人も風邪ひきらしい。早めに起こして帰宅を促すべきだったか。

 部屋に戻ると、風邪の症状が次第に酷くなっている。悪寒がする。


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