12月15日 マルガリータの夜


 店は休み。前々から気になっていた問題の解答を求めて、あちこちのバーを巡り歩く。同業はやはり休んでいる店が多く、いきおいホテルのバーに足が向く。
 マルガリータについて、いまひとつ納得がいかない。
 私のつくるマルガリータは酸味が強すぎるように思える。

 こちらの素性を打ち明けて、マルガリータをオーダーする。
 相手もこちらも緊張する。いくつか質問をする。相手も、尋ねてくる。職人的な会話を交わし、引き上げる。
 何軒もの店で、それを繰り返す。

 どうやら私のスノースタイルは画一的すぎるらしい。数種類の塩を用意しておいて使い分けているというバーテンダーの意見が参考になった。
 総体的な感想としては、ライムジュースは若干控え目の方がいいようだ。
 成果があった。頭では納得できた。あとは、あした実際につくってみるしかない。

 夜半を過ぎて、麗子と鴨鍋をつつく。葱の茹で具合について論争となった。
 いつものとおり、私が言い負かされた。


扉へ | 次の夜へ