118 97.07.17 「石田運」
石田運が悪い、とでもいうんでしょうか。
どうも、石田さんとはうまくやっていけません。今回の石田さんは、ひとまわり年嵩の取引先の営業部長なんだけど、シゴトの面ではまあまあうまくコトが運んでる。雑談をすると、とたんに齟齬をきたす。お江戸でござる的な冗談を連発するんだよね。どうも、そりが合いません。
まったく普通の会話の中にさりげなく渾身のギャグを折込み、気がついてもらえなけりゃそれでいいや、と考える私には、ちょいとですね、お江戸でござるは脂っこすぎるんですよ。あちらはあちらで、私のことをお笑いを理解できないカタブツな男なんて考えているんだろうなあ、きっと。
それでも、シゴトにはさして影響しないし、会うのはシゴトのときだけだから、別にたいした問題じゃありません。
某市役所の石田課長補佐には、途方に暮れました。とにかく私のことが嫌いなわけです。なぜなのかはわかりません。たぶん、私が無意識に抱いた嫌悪感を敏感に感じとっちゃったんでしょう。一目惚れとまるっきり逆のパターン。理屈もなにもあったもんじゃなくて、お互いが嫌悪しあってしまう。私が提出してけちょんけちょんにけなされた書類を翌日同僚が持ち込んだらすんなり通っちゃうんだから、よっぽど相性が悪い。
こういうのはよくあることで、私がその同僚の立場になることもありますが。まあ、みんなが仲良くできたら、そのほうがよっぽど気持悪いしね。喧嘩とか揉め事がどこかに発生していない社会は、停滞して淀んでそのまま滅びちゃうだけだから、ま、相性の悪さってやつは必要なんでしょう。
それにしてもなぜ、石田さんとばかりうまくやっていけないんでしょう。そりが合わないのは、たいてい石田さん。肌が合わなかった石田○代ちゃんもいましたけどね、ゑへへ。なんて、ちょっと見栄をはってみました。
高校二年生のときの担任は石田藤之介という定年寸前の世界史の教師だったんだけど、このひととは大喧嘩してしまいました。野球部の応援に行けって、うるさいんだよね。甲子園に出るような野球部だったんですが、関係ないよなあそんなの。クラスで行かないのはオマエだけだ、出席扱いなのになぜ行かないのだ、って言われたってさあ。困っちゃうよね。弓道部が関東大会に出るというので応援に行くから出席扱いにしてくれと申し出たら、烈火の如く怒りましたよ石田先生。ま、弓道部になんの興味もない奴がいきなりそんなことを言いだしたんだから、そりゃ怒りますが。私もコドモだったから、歯向かわなくてもいいことに歯向かっちゃったわけです。
どんどん思いだしてしまう自分が怖いけど、五年二組で一緒だった石田哲夫はヤな奴だったな。あいつは、ちょっとヤだったですよ。多くは語りませんが。
そんなこんなで、もはやどんな石田さんと会ってもうまくいかないでしょう。こっちの体内に対石田抗体ができちゃってる。私は石田さんとはけしてうまくやっていけないというメッセージが、ひたひたひたとウルトラQ的に相手に伝わっちゃうものと思われます。
そんな私なので、石田ゆり子と恋に堕ちても、すぐに破局を迎えることでしょう。
ごめんよ、ゆり子。僕達は出逢ってはいけない運命だったんだ。すまない、僕のことは忘れてくれ。これから言うことばも忘れてくれ。僕はあの夜の記憶だけを抱えて死んでいくよ。
……臆面もなくこんなこと書くようになっちゃったかオレ、っつう感じですね。処置なし、っつうか、この~。
まっ、いいじゃないですか。空は青いし。
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