084 96.12.17 「すばらしいっ、ISDN。」

 田口っ。「いすどん」じゃないんだっ。「あいえすでぃえぬ」だと言うておろうがっ。現代用語の基礎知識とかイミダスとか買って、少しは勉強したまえよ、もう。
 あ、失礼しました。つい興奮して、読者でもない友人に呼びかけてしまいました。
 世間では、けっこう知られていないみたいだぞ、ISDNさんよ。やっぱり、西城秀樹に歌ってもらわなきゃいかんのではないですか。Iはいいとして、S以降は蛸踊りになりそうだけど。でも、西友という壁を乗り越えたヒデキなら、きっとやってくれるはずですっ。任せましたっ。
 私はといえばヒデキのように開き直ることができず、思考と行動のギャップに思い悩んでおる次第です。もんもん。
 たとえば、すき焼きの食材を買いに行ったはずなのに、大根が安かったので予定が変更されておでんの食材を買い込んでくるとか。でんでん。たとえば、靴下を買いに行ったはずなのに、5枚1組1000円につられてパンツを買って帰ってくるとか。ぱんぱん。たとえば、別れた妻と縒りを戻そうと話し合いに出かけたところ、口論になり刺し殺しちゃうとか。ぐさぐさ。
 勢い込んで出立したときの思惑が、意表をつく事態の急変に遭遇してどこかへ吹っ飛んでしまい、思いも寄らなかった結末を迎えちゃう。皆さんは、そういうこと、ないですか。私はあります。よくあります。ええ。ありますとも。
 昨日もありました。
 NTTという巨大企業にはいささか不信感はありますが、まあそれはそれとして、テレホーダイの番号を変更してもらいに出かけたわけです。隣接区域の電話番号をふたつ登録してるんですが、このたび私が加入しているプロバイダがようやく市内にアクセスポイントを設置してくれたもんですから、ふたつのうちのひとつをその市内の電話番号に変更してもらおうと思いまして。隣接用の3600円コースでかまわんから、ひとつだけでも市内の電話番号にしておこうかなっ、てのが私の思惑でした。
 自慢するわけではありませんが、私は浅墓です。浅墓なんだってばっ。
 あ~、そういうのダメなんだってね。ぜんぶ市内の番号で1800円コースにするか、ぜんぶ市外の番号で3600円コースにするか、どっちかしかできないんだって。
 し、知らなかった。よよよ。
 NTTの窓口で泣き崩れていてもしょうがないので、私は決断をしようと瞑目しました。今まで通り市外の電話番号ふたつで3600円コースにするか、市内の1800円コースにしてひとつだけの電話番号を登録するか。他にもうひとつ登録したい電話番号があれば後者にするんだけど、午後11時以降にかけるとこなんて思いつかない。ここは市内にニフティのアクセスポイントがないというネットワーク後進地域なのですね。市内にアクセスポイントがあるプロバイダも、3つしかなかったりします。首都圏なんだけどな、一応。
 やがて、私は決断し、NTTをあとにしました。
 なぜ、そういう展開になってしまうのでしょう。私にはさっぱりわかりません。
 ぜんぜん、論理的必然性のない結末です。まったくもってスジが通らない結論です。自分でも、説明できません。
 私はまた、買物という精神的疲労を蓄積させる行為においてまたしても逆上し、とんでもない事態を招いてしまいました。
 私は、ISDNの申し込みをしてしまいました。
 どうしてそうなるか、私よ。

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